写真家・三宅徹さんが案内する細川家ゆかりの紅葉スポット

2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」のスタートまであと3か月と迫ってきましたね。

主人公・明智光秀とともに活躍が期待されるのが、勝龍寺城城主で光秀の盟友“細川藤孝”と藤孝の息子で後に細川ガラシャの夫となる“細川忠興”ら細川家の面々。今回は長岡京市と京都市内にある細川家ゆかりのスポットを、長岡京市在住の写真家・三宅徹さんの写真とともにご紹介。また、三宅さんによる撮影のコツや細川家の豆知識も満載です。

朝さんぽで紅葉と幽斎の軌跡をたどる@長岡天満宮

必見紅葉ポイント●八条ヶ池・錦景苑

見頃:11月中旬~12月上旬

学問の神様・菅原道真公を祀る長岡天満宮、通称「天神さん」。阪急「長岡天神」駅から西へ、大鳥居を目指して5分ほど歩いていくと、突然目の前に広がる都会のオアシスが「八条ヶ池」です。その八条ヶ池の周りを囲むように真っ赤に染まるイロハモミジがお出迎えしてくれます。池に映る景色も必見!

正面の大鳥居をくぐった先の参道には、赤や黄色のもみじのトンネルが。

さらに奥へ進むと美しい紅葉が広がる庭園「錦景苑」があります。紅葉を楽しむために作られた庭園では毎年ライトアップも開催!今年は11月22日~12月8日(16:30~20:00)に行われますよ~。昼間とは違う、幻想的な世界に浸ってみては。

細川家と長岡天満宮~幽斎へのリスペクトを感じる古今伝授の間~

細川忠興の父・藤孝(幽斎)が八条宮智仁(としひと)親王に古今和歌集を伝授した建物(現、熊本水前寺成趣園の「古今伝授の間」)は、長岡天満宮の境内に建っていた時代があります。その名残を伝える石碑も立っていますよ。

三宅’sコラム

写真家として活躍中でもあり、京都の歴史にも詳しい三宅徹さんに、各スポットと細川家についてのトリビアを教えてもらいました!

「長岡天満宮は、もともと開田天満天神社と呼ばれていました。細川家が長岡に住んでいた頃には、開田村の氏神で、学問の神・菅原道真公を祀る小さな祠が建っていた程度だったようです。

長岡天満宮が本格的に整備されたのは、江戸時代、1623年に八条宮家(桂宮家)の領地になってからです。八条ヶ池もこの時代に造られました。

八条宮家にとって、細川幽斎は、古今伝授など文学の師匠でした。古今伝授の間を、京都御所の自邸から、細川家に縁のある長岡へ移築して残したのは、幽斎への思慕からでしょうか。

八条宮家は桂離宮の造成で知られるように、桂一帯にも大きな領地を持っていましたが、わざわざ、長岡のこの地に移築したのは、幽斎をリスペクトしてのことだったと感じます。」

長岡天満宮の紅葉撮影ワンポイント

長岡天満宮は、八条ヶ池の周り、参道、錦景苑にカエデの木が植わっています。見頃は例年通りなら11月末~12月初旬ごろです。

東向きの斜面に立っていることもあり、朝の撮影がおすすめです。



今年の4月には細川家の末裔である細川護光さんが長岡天満宮で個展「古今知新工藝展」を開催しました。その時のインタビューはこちらをチェック!

Information

長岡天満宮(ながおかてんまんぐう)

長岡京市 天神2丁目15-13/075-951-1025/社務所は9時~18時(10~3月は~17時)/阪急長岡天神駅から徒歩約10分/有料駐車場あり

11月のガラシャ祭は必見!ガラシャと忠興婚礼の城@勝龍寺城

紅葉必見ポイント●城内の桜の木

見頃:11月中旬~12月上旬

撮影:菊地佳那

明智光秀の娘・お玉(ガラシャ)と細川忠興が結婚式を挙げた場所として有名な勝龍寺城。

古風な庭園と、紅葉したシダレザクラやソメイヨシノの並木のハーモニーは必見。

11月2日にはリニューアルオープンされ新しくなった展示室などが公開されました。さらに、11月2~10日はガラシャウィークとしてマルシェやパフォーマンス、講演会などが開催!10日に行われる毎年恒例のガラシャ祭と合わせて、ガラシャと忠興が新婚時代を過ごした地に思いをはせてみては?


お城のリニューアルやガラシャ祭について紹介した記事はこちら。



細川家と勝龍寺城~念願の城主となった幽斎の安住の地~

三宅’sコラム

「細川幽斎(この頃は藤孝)は、将軍足利義昭とともに各地を放浪した苦境の時代がありました。

勝龍寺城の城主になってようやく、安定した暮らしができるようになります。町人に預けていた息子・忠興を呼び戻したのもこの頃です。

勝龍寺城の一角に、沼田丸という区画がありました。沼田というのは、奥さん(沼田麝香・じゃこう)の実家です。ここに沼田氏の住まう屋敷を建てていたそうです。苦労を共にした奥さんへの、感謝と労りの気持ちを感じます。」

勝龍寺城の紅葉撮影ワンポイント

城内は多くがサクラの木です。サクラはカエデに比べて色づくのが早いです。だいたい二週間はやく紅葉します。11月前半に訪問れると、ちょうど赤や黄色に色づいたサクラを撮影できると思いますよ。

Information

勝竜寺城公園(しょうりゅうじじょうこうえん)

長岡京市勝竜寺13-1/075-952-1146/11月~3月は9時~17時、4月~10月は9時~18時/入園無料/JR長岡京駅から徒歩10分/駐車場

忠興も訪れた、菅公を祀る天満宮総本社へ@北野天満宮

紅葉必見ポイント●御土居周辺

見頃:11月中旬~12月上旬

長岡天満宮と同じく、菅原道真公をお祀りするこちらは全国天満宮総本社の北野天満宮。梅の名所としても人気のスポットです。境内には約350本のイロハカエデやオオモミジが色付き、どこからでも紅葉を楽しめるのがポイント。10月25日~12月8日には史跡御土居のもみじ苑が公開され、樹齢350年を超える「三又の紅葉」は必見です。

細川家と北野天満宮~茶人・忠興の足あとをたどる~

大鳥居から入って左側にある茶席「松向軒(しょうこうけん)」にあるのが三斎井戸(非公開)。豊臣秀吉公が北野天満宮で北野大茶湯を開いた際に、細川幽斎の息子・忠興(三斎)が使ったと伝わっています。

写真提供:北野天満宮

三宅’sコラム

「北野天満宮と細川家のゆかりといえば、北野大茶湯でしょうか。豊臣秀吉が、九州征伐を終えたあと、千利休ら名だたる茶人を呼び集めて開いたと言われています。

何日かに渡って開催する予定が、なぜか、一日で終わってしまい、「思ったより秀吉の元に人が集まらなかったから」などと、今でも、理由が推測されています。

細川忠興はこの茶会に参加し、「影向 (ようごう) 松」の向かい側に茶室を建てました。松に向かっているので、松向軒。

この松向軒、当時の茶室は大徳寺高桐院に移されましたが、今も松の下には後に建てられた茶室があり、三斎井戸も残っています(内部非公開)。

忠興の法名は「松向寺殿」といいます。この茶会が、きっかけになったのでしょう。」

北野天満宮の紅葉撮影ワンポイント

北野天満宮の境内、特に本殿の周りはウメの木が多い中、カエデの名所になっているのは、境内の西にある御土居周辺です。春、秋に公開されています。

京都の紅葉名所としてはやや後半、11月中旬~12月上旬まで見頃が続きます。紙屋川にかかる、朱い鶯橋(うぐいすばし)の近くが、特に美しいです。

11月9日~12月8日にはライトアップも開催!雅な雰囲気に包まれた景色も必見です。(日没~20時受付終了)

Information

北野天満宮(きたのてんまんぐう)

京都市上京区馬喰町/075-461-0005/4~9月は5時~18時、10~3月は5時30分~

17時30分/境内無料(もみじ苑は1000円・茶菓子付)/市バス北野天満宮前からすぐ/駐車場300台

2つの美しい庭がある幽斎の菩提寺@天授庵

紅葉必見ポイント●東庭、書院南庭

見頃:11月上旬~中旬

南禅寺の塔頭(たっちゅう)のひとつである天授庵。枯山水の東庭と池泉回遊式の書院南庭のふたつの庭があり、赤やオレンジの紅葉が雅な空間を作り出します(写真は東庭)。東庭は敷石と苔で整えられた市松模様で、紅葉と合わせてみると一幅の絵画のよう。座ってゆったりと紅葉を満喫しましょう♪

11月15~30日の期間はライトアップしたお庭も見られますよ。幽玄な景色を堪能してみては。(17:30~20:45、600円)

細川家と天授庵~再興に尽力した幽斎が眠る~

天授庵は1339(暦応2)年に南禅寺開山の無関普門(むかんふもん)の塔所(たっしょ)として建立しましたが、戦国時代に衰退。のちに、細川幽斎によって細川家の菩提寺として1602年に再興されました。

三宅’sコラム

「南禅寺天授庵は、細川幽斎のお墓があるところです。また、幽斎の肖像画も、こちらの天授庵に伝わっています。本や放送で取り上げられる幽斎の姿は、ほぼ、この絵です。

1602年に、応仁の乱などで衰えていたこちらの天授庵を、幽斎が再興しました。息子の忠興は、こちらとは別に、大徳寺高桐院を建てました。もちろん、高桐院にも幽斎のお墓は設けられています。

なにか、経緯があったのでしょうか。

じつは、幽斎が受け継いだ「細川家」と、忠興が受け継いだ「細川家」は別の家だという話があります。

細川家は、足利幕府の名門でしたから、たくさんの家系に分かれていました。幽斎と忠興は、もちろん実の親子なのですが、幽斎は細川和泉守家という家系を、忠興は細川奥州家という家系を、それぞれ、受け継ぎました。

あるいは、忠興は、この違いを意識して、それぞれに墓所を立てたのかもしれませんね。」

※境内にある幽斎のお墓は非公開となっています。

天授庵の紅葉撮影ワンポイント

南禅寺天授庵は、京都でも人気の紅葉名所です。開門前から、拝観待ちの行列ができています。昼頃には拝観の人が多く、すれ違うのも苦労しますので、写真を撮影するのであればできるだけ早く、開門すぐに訪問されることをおすすめします。

京都の中でも紅葉の色づきがとりわけ早い場所です。11月中旬に見頃を迎えることが多いです。

Information

天授庵(てんじゅあん)

京都市左京区南禅寺福地町86-8/075-771-0744/9時~17時(11月から冬季は~16時30分)/500円/地下鉄蹴上駅から徒歩7分/駐車場は南禅寺駐車場を利用


歴史をたどりながら紅葉の旅へ

長岡京市をはじめ、京都には細川家ゆかりの地がたくさんあります。これからおでかけしやすくなるこの時期に、紅葉狩りとともに歴史散策をしてみてはいかがでしょう?

三宅徹

写真家。長岡京市在住。京都の風景と祭事を中心に、その伝統と文化を捉えたいと思い、撮影を続けている。やすらい祭の地域に生まれ、葵祭の地域に育つ。いちど京都を出たことで地元の魅力に目覚め、友人に各地の名所やそれにまつわる歴史、逸話を紹介しているうち、必要にかられて写真の撮影を始める。SNSで公開していた作品が出版社などの目に止まり、書籍や観光誌の写真担当に起用されるように。最近は写真撮影に加えて、撮影や京都の歴史などに関する講演会やコラム提供も行っている。

主な実績:
・朝日新聞出版 秋の京都2019
・京都観光Navi(京都市観光協会公式HP) 「京都四大行事」コーナーほか
・しかけにときめく「京都名庭園」(著者 烏賀陽百合 誠文堂新光社)
・しかけに感動する「京都名庭園」(同上)
・いちどは行ってみたい京都「絶景庭園」(著者 烏賀陽百合 光文社知恵の森文庫)
・阪急電鉄 車内紙「TOKK」2018年11月15日号 表紙他
・京都の中のドイツ 青地伯水編 春風社 ほか、雑誌、書籍、ホームページへの写真提供多数。
きょうのいろ”Colors of Kyoto”

https://www.facebook.com/colorsofkyoto/

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