長岡京市で働くバイタリティあふれる男女、つまり“オトコマエな人”の笑顔を発掘。その魅力のモトを探っていくこのコーナー♪
今回は、阪急長岡天神駅から徒歩10分、長岡3丁目にあるフランス料理とワインが気軽に楽しめる「Volonte de Gaia(ヴォロンテ)」のオーナーシェフ・岡本新次さんです。
【プロフィール】
名前 :岡本 新次(40歳)
職業 :Volonte de Gaia(ヴォロンテ) オーナーシェフ
出身地:京都市
趣味 :読書
好きな芸能人:川口春奈
友人になりたい芸能人:マツコ・デラックス
お仕事編
料理の道に進まれたきっかけと経歴を教えてください。
母方の実家が京都市で食堂をやっていて、子供の頃、よく遊びに行っていたんです。お客さんが帰る時に「旨かった、ごっつぉさん!」と言うのがいいなぁと思っていたのでしょうね。
そこに来る常連のおじいさんが、いつもシメにご飯に牛乳をかけて食べるんですよ。その方は戦争体験者なのですが、当時「銀シャリ」と「牛乳」は高価な品ですよね。その「二大巨頭を合わせて食べるのが好きなんや」と言ってはったんです。それで自分でも試してみたんですが、これがすごくまずくて(笑)。
その時、自分でも美味しいものを作れるのではないかと思って親の目を盗み、チャーハンなど料理をするようになったんです。これが料理人を目指すきっかけになったんじゃないですかね。中学生の時にはもう将来はフレンチの料理人になろうと思っていました。
専門学校を卒業し、京都市内の有名レストランで働いていたのですが、腰を痛めてしまって。どうしても続けられなくなり志半ばで辞めてしまったんです。それからは腰の調子と相談しながら、いろいろなレストランで働いて、時間ができると海外のいろいろな街へ行って、その土地の料理を食べ歩きました。
フランス料理ってお高いイメージがあるじゃないですか。でも和食でも懐石から家庭料理まであるように、フランスの家庭料理などさまざまな料理を若いうちに肌で感じたかったんです。
店内にはフランス各地を回った思い出の品がセンス良く飾られています
1つの町に滞在するのは長くて3週間。レストランで「給料いらないから雇って」と流しの料理人みたいなことをしたりもしました(笑)。そして安い宿に泊まりながら、ミシュランで星をとった店から汚い食堂、マンマが作るような料理まで食べ歩きました。食べないと分からないんでね(笑)。そういったものを自分の引き出しに入れていきたいと思ったんです。
そんな中、長岡京市にお店を開こうと思われた理由は?
実は兄が長岡京市の竹の台で整骨院をやっていたんです。そこは診療所だけでなく、寝たきりの人や身体を動かしにくい人の訪問治療もしていたのですが、4年ほど前に急に亡くなってしまったんです。その頃、僕はレストランで働いていたのですが、兄の無念というか「志」を継ぎたいと思って長岡京でレストランをしようと思ったんです。
店名の「volonté(ヴォロンテ)」というのはフランス語で「意志」という意味。兄の店が「ガイアクリニカ整骨院」といったので、ガイアの意志を継ぐという意味で、店名の下に「de Gaia(デ ガイア)」と付けました。ガイアというのは「大地、地球」という意味もあるんですよ。
僕らは肉や野菜、ワインになるブドウなど大地に生きているものをいただいているわけです。だから大地の意志を大切にという意味を込めて、できあいのものは使わず、野菜も使える時は無農薬のものや長岡京の農家さんの野菜を使っています。そういう意味も込めて「デ ガイア」と付けました。
お店で大事にしていることは何ですか?
ランチは1500円~
和牛など、あまり高い食材はなるべく使わないようにしていて、どんなに高くても1皿2000円までって決めています。今の時期はエゾ鹿もありますが、この値段でこの量はないと思いますよ。僕も業者も泣いています(笑)。僕が目指すのは、お皿にチョコチョコ盛られた小洒落たフレンチじゃなくて、お腹いっぱい楽しんで欲しいんです。だからうちへは食堂みたいな感じで気楽にいらして欲しいですね。
常連さんにお話を聞いてみました。
―長岡京市にお住まいで京都市内でお仕事をされている常連の中川さんにお話を伺ってみました。
最初に訪れたのは夫の誕生日のお祝いに息子に誘ってもらって来たんです。こちらの魅力はまず味がしっかりとして、調和が取れていることですね。そして、通しで営業をされているので、ランチを食べそこなった時にもゆっくり食事ができるのがいいんです! お酒がいただきたくなってしまうお料理が沢山ありますよ。
あとランチもおすすめです。スープかロワイヤルが選べるのですが、このロワイヤルが絶品で!! これと白ワインが良く合います。ぜひ食べてみてください。
というわけで「ロワイヤル」をいただいてみました。
食感はフレンチ版茶碗蒸しみたいな感じといったらいいでしょうか。トロトロの卵の上に本日はカキとホウレン草のクリームソースが載っています。濃厚なクリームソースと優しい卵の味のコントラストが絶妙。確かにこれは、やみつきになります。ちなみに上にのる具材はウニのクリームソースだったり日替わり。夏は上に冷たいゼリーをのせるなどして出されるそうです。
基本的にランチで出されますが、予約をすればディナーでもいただけます。
もう2品作っていただきました!
しゃれの効いたネーミングの「馬肉と鹿肉のテリーヌ」。ベースは豚肉で、馬と鹿肉は食感が分かるようにコロコロしたサイズにカットして入っています。とても香りがよく、まったりとした肉の旨みを感じることができる逸品です。
「エゾ鹿ロース肉のロースト バルサミコソース」。肉の焼き方にはこだわりがあるという岡本さんならではの一品です。肉の表面をさっと焼いて油を捨て、バターでゆっくりじっくり焼いていきます。オーブンは使わず、フライパンの上で蒸し焼きに。「どれだけ肉にストレスをかけないかを大切にしているんです」。レアに焼かれた肉は水分がたっぷり残り、驚くほど柔らか。付け合わせの野菜は、それぞれの素材の旨味がしっかり前に出ています。岡本さんの食材や料理に対する愛が感じられますね。
プライベート編
お店に置かれた島田荘司さんのミステリー小説
休みの日も買い出しをしたり冷蔵庫の整理をしたり、下ごしらえをしているのでそんなに趣味は無いのですが…、あ、でもミステリー小説が好きで読みますね。中でも島田荘司さんが好きなんです。読んでいる側も小説の世界に入り込めて、さらに最後は謎が解けるところがいいんです。頭の中が現実離れできるのでリセットできるんでしょうね。なので趣味というとしたら、お風呂の中でミステリー本を読むことですかね。
宝物はなんでしょう
奥さんと子供ですね! この職業は朝も早いですし、帰りも日によってマチマチですが、奥さんは晩飯を作って待っていてくれるんです。
さて、将来の夢は??
2店舗目、3店舗目ができたらいいなと思いますが、それにあたって僕の右腕的存在がいないとね。僕の考えなどについてきてくれる若い人がいたらいいなと思っています。僕らの職業って華やかに見えますが、白鳥でいったら水面下でばたばた足を動かしている人、そこをどうにか楽しみながらできるかですね。
いかがでしたか? お話を聞いてお料理をいただいて思ったのは、こんな素敵なお店があるのが長岡京なんだ! ということでした。みなさまもぜひ訪れてください。
行きつけのお店のスタッフさん、取引先の企業人……あなたの周りにもキラリと輝く人がきっといるハズ!お心当たりのある方、我こそはと思う方、ぜひ編集部(kotokatari.kyoto@gmail.com)まで情報をお寄せくださいね☆
【information】
Volonte de Gaia(ヴォロンテ)
住所 :長岡京市長岡3丁目14-9
営業時間:11:30~21:30
定休日 :火曜(不定休あり)
電話 :075-323-7183
アクセス:阪急「長岡天神駅」下車徒歩約10分
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