昨年8月、長岡京市滝ノ町にオープンしたイタリアン「Cucina italiana giogio(クチーナイタリアーナジョジョ)」。
“本格イタリアン”と聞けば敷居が高そうですが、心配ご無用。心地のいい空間で、旬の素材を駆使した手の込んだお料理が、驚きのコストパフォーマンスで楽しめます。
オープン以来、すでに予約も多く、満足度が高いと評判のランチやお店の様子を余すところなくレポートします。
開放感あふれる、長岡京随一の広々とした空間
この店の大きな魅力は、なんといってもその開放的な空間です。長岡京市のイタリアンの中でも随一の広さを誇り、テーブル席の間隔は贅沢なほどゆったり。
本格的なイタリアンを味わえるのにかしこまった雰囲気はゼロなので、お一人様はもちろん、大切な人と周りを気にせず料理と会話を心ゆくまで楽しめます。
白と茶色で統一されたシンプルかつシックな内装が、“きちんと感”と“リラックス感”を絶妙に両立させ、誰もが気楽に過ごせる居心地の良い空間を演出しています。
シェフの想いが宿る、本格イタリアン
料理を手がける原靖明シェフはかつて大阪・南茨木にあった老舗イタリアン「POLPO」出身。その原点は、サッカーを通じて魅了されたイタリア文化にありました。
高校を卒業してからすぐに修業の道に入り、師匠には厳しく鍛えられたそう。「手取り足取り教えてもらうというよりは、シェフの背中を見て学ぶ時代でした」と振り返ります。そんな厳しい修行の中で最も深く学んだこと、それは技術以上に「お客様を大切にする心」でした。
地元で長く愛された名店で受け継いだその大切な想いがお店の雰囲気や料理に昇華されています。
旬の味覚とシェフの技が織りなす、心に残るイタリアン
今回オーダーしたのは「Pranzo B」2600円(Bランチ)。前菜の盛り合わせと本日のパスタ、本日のメイン料理と自家製パンが付く、満足度の高いコースです。
まず、前菜の盛り合わせからシェフの創意工夫が光ります。原シェフの料理は旬の素材を活かした優しい味わいで、食べる人を飽きさせない絶妙な匙加減と味わい深さが魅力。こまめにメニュー内容を入れ替えるため、訪れるたびに新しい料理に出会える楽しみもあります。
この日の前菜は但馬どりのローストやモルタデッラ(ボローニャソーセージ)、イワシのカルピオーネ(マリネ)、フリッタータ(オムレツ)やピーマンのケッパー風味などが彩り豊かに並びます。
取材に伺ったのは2025年5月下旬でしたが、香り高い新じゃがの風味を活かしたスープがおいしく、新緑の季節を味覚で感じる清々しい一皿でした。
本日のパスタは「自家製サルシッチャ きのこのクリームソース」。シェフが手作りするサルシッチャ(イタリアの生ソーセージ)のうま味ときのこの風味がソースに溶け込んでいながらも、こってりし過ぎない絶妙な味わいです。
熱々アルデンテのパスタを無心で頬張ると、ジューシーなサルシッチャと風味豊かなきのこの香りが口の中に広がります。
いよいよメインが運ばれてきました。「サワラのサルターレ(ソテー)」です。皮はカリッと香ばしく、身はふっくらと上品な味わい。その主役のサワラを彩るのが、ローストされた旬の野菜たちです。
そら豆や新じゃが、グリーンピースの優しい甘みが、サワラの風味と絶妙にマッチ。さらに新玉ねぎのクリームソースとフレッシュなトマトのソースがコクと酸味を加え、最後まで飽きさせない一皿に仕上げています。
なんと+300円するだけでドルチェが味わえるうれしいサービスも。自家製のプリンと果実味たっぷりのジェラートを堪能しました。さらに+200円でコーヒーか紅茶を付けることもできます。
今回はBランチ(前菜・パスタ・メイン・パン)をいただきましたが、Aランチは1800円(前菜・パスタ・パン)でいただけます。
それぞれの料理の味付けが上品なのでするすると食べられますが、男性でも満足するボリューム感。ワインと一緒にゆっくりと味わえば、なんとも贅沢なランチタイムが過ごせます。
グラスワインは赤・白各600円。イタリア産の「CORVO」で、シチリアワインの代名詞です。
赤はバランスの良いミディアムボディ。凝縮した香りとベルベットのような口当たりで肉料理と良く合います。
白はシチリア伝統のブドウのみを使って造られた白ワイン。心地よい酸味とフルーティーな味わい、軽やかなミネラル感もあり、魚介類との相性抜群です。
ほかにもイタリア各地のワインが15種類ほど用意されていました。
“楽しい一日”の手助けになるような素敵なお店
原シェフに店名の“giogio”の意味を伺うと、イタリア語で「gioioso giorno(楽しい一日)」に由来して名付けたとのこと。訪れる人の楽しい一日の手助けになれるような店でありたい、というシェフの想いが込められています。
その言葉を聞いて、肩肘張らずに過ごせる心地よい店の雰囲気に納得。旬の食材を活かし、食べる人を最後まで楽しませる繊細な味わいで、訪れる人の心を掴みます。
「何を食べたかなんてよく覚えていないけれど、楽しい一日の中にこの店が含まれていたらうれしいです」と原シェフ。
師匠から受け継いだ“お客様を大切にする”という心意気が感じられる、とても素敵なお店でした。そんな噂が評判を呼び、満席になることも多いので、ぜひ事前に予約を。ランチは13時を過ぎれば、当日でも席が空くこともあるそうです。
また、ディナーのコースは4200円・5200円・6000円の3種類。ワイン飲み放題(1500円)が付けられるパーティーメニュー4500円もあります。
ぜひ訪れてみてくださいね。
information
Cucina italiana giogio(クチーナイタリアーナジョジョ)
070-1187-1019
11時30分〜15時(LO14時)、17時〜22時(LO21時)
水曜、月の最終火曜休
阪急「西向日」駅から徒歩約11分
Pあり
Instagram @giogio_4040
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