【祝・重要文化財】紅葉名所・光明寺の魅力を徹底解剖!大河ドラマ「べらぼう」ロケ地

京都屈指の紅葉の名所として知られ、日本各地から多くの参拝客が訪れる光明寺。今年は、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のロケ地に選ばれたことに加えて、さらにこの度、8棟の建造物が新たに国の重要文化財に指定されるはこびとなり、ますます話題になっています。

今回は、ロケ地から歴史、建造物の見どころ、注目イベントまで、光明寺の奥深い魅力を徹底解剖!紅葉の時期だけではもったいない、新しい楽しみ方をご紹介します。


【歴史】法然上人ゆかりの光明寺って、どんなお寺?

鎌倉時代の1198(建久9)年、法然上人の弟子・法力房蓮生(ほうりきぼう れんせい)法師(熊谷次郎直実)が西山のふもと粟生(あお)に御堂を建立したことにはじまる光明寺。蓮生法師は、師である法然上人を開山一世とし、自らは二世となりました。

蓮生とは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武将である熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)が出家後に名乗った法号。熊谷次郎直実というと『平家物語』の「敦盛最期」の場面が有名で、武士としての人生に虚無感を覚え、念仏三昧の生活を送ったとされています。

表参道の階段を登り振り返れば、総門の先に長岡京市の街並みさらには東山連峰まで見渡せる

もともと粟生広谷は、法然上人が初めて念仏のみ教えを説いた場所で、また、法然上人が光明寺の前身となる「念仏三昧院」という寺号を授けた場所でもあります。

寺務所(受付)の正面にある法然上人の御火葬場跡。中央には、穏やかな笑みを浮かべた勢至菩薩(せいしぼさつ)の姿が見られる

法然上人が亡くなられた後も、その影響力を恐れた他宗の僧侶によって墓が狙われることもあったのだとか。弟子たちがご遺体を太秦へ移した際には光明が放たれ、念仏三昧院を照らしたという逸話が残されています。その後、法然上人の遺骸を念仏三昧院へと移して火葬し、ご遺骨を納め御本廟としました。

光明が放たれたエピソードから、四条天皇より「光明寺」の名を賜り、今日に至るまで法然上人ゆかりの地として多くの人に親しまれています。


【ロケ地】大河ドラマ「べらぼう」の世界に浸る!聖地巡礼

実は、たくさんのドラマや映画のロケ地に選ばれている光明寺。小栗旬さん主演の「信長協奏曲(のぶながコンツェルト)」や岡田准一さん主演の「燃えよ剣」など、数々の名作に登場しています。

そして、2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のロケ地としても注目を集めています!第1話から光明寺が登場し、俳優の横浜流星さん、渡辺謙さんが迫真の演技を見せました。

ちなみに、ロケ地誘致には、長岡京市商工観光課の熱心な働きかけがありました。乙訓地域には、映画やドラマのロケ地誘致の専門組織フィルム・コミッションがなかったため、同課が調整役を務めることに。担当職員は、光明寺だけでなく、他のシーンで使えそうな市内数カ所も合わせてアピール。こうした積極的な対応が実を結び、光明寺でのロケが正式に決定しました。

そんな誘致の秘話を踏まえて、撮影スポットを見ていきましょう♪

まず、重厚な総門(上写真)をくぐると、御影堂(みえどう)に向かって、広くなだらかな階段が続きます。

こちらが、渡辺謙さんと宮沢氷魚(ひお)さん演じる田沼意次親子が馬に乗ったシーンが撮影された表参道〈上写真〉!女性でも苦労なしに登れることや、石畳の小さな石を女性たちが運んだことから「女人坂」と呼ばれるようになったと伝わっています。

そして、階段を登らず左手の「もみじ参道」へ進むと、両脇に茂る紅葉の先には、JR東海「そうだ京都、行こう。」のポスターにもなった中門(薬医門)〈上写真〉へと続いています。寺紋が入った幕は、大法要の時のみ掛けられるそう。蔦重が亡くなった朝顔のもとに駆けつけるシーンでは、この美しいもみじ参道が使われました。


8棟の建造物が重要文化財に!長岡京市最大の木造建築に注目

広大な境内には、歴史的建造物が多数点在。近世浄土宗寺院建築の展開を知る上で貴重な堂舎群であることが評価され、御影堂(みえどう)をはじめ、御本廟及び御本廟拝殿、鐘楼、阿弥陀堂、釈迦堂、総門、勅使門の8棟が国の重要文化財に指定されることが決まりました。なんと、建造物が重要文化財に指定されるのは長岡京市初!さらにこの8棟以外に、9棟が長岡京市指定文化財に指定されています。

御影堂(上写真)は、長岡京市最大の木造建築。横幅十八間四面(約30m)もあり、その大きさに思わず圧倒されます。

御影堂の北方に位置する阿弥陀堂(上写真)では、恵心僧都(えしんそうず)の作と伝わる阿弥陀如来立像をご本尊として安置。御影堂、阿弥陀堂ともに中に入り、お参りすることができます。

早朝には僧侶たちによるお勤めも。夏は5時30分から、冬は6時30分からの御影堂にはじまり、阿弥陀堂など各お堂を毎日周ります。


紅葉期は見どころ満載!特別公開される寺宝と信楽庭(しんぎょうてい)

毎年秋に行われる紅葉の特別入山は、通常非公開の「信楽庭(しんぎょうてい)」や寺宝が拝見できる絶好の機会。今年の紅葉期は、11月15日(土)~12月7日(日)まで行われます。

光明寺には仏像・掛軸等の絵画・書跡・工芸品など、約300点もの寺宝があり、重要文化財に指定された一部は国立博物館へ寄託中。ほかにも長岡京市指定文化財・京都府暫定登録有形文化財が多数あります。

毎年、紅葉期には釈迦堂にて一部を公開する寺宝展を開催。

御所から伝わった襖絵や皇族から賜った香炉など、毎年展示物が変わるため、何度訪れても新しい発見があります。

ちなみに昨年は「法然上人立教開宗850年」をテーマに法然上人ゆかりの品をお披露目しました。

今年はどんなお宝に出会えるか、楽しみですね。

寺宝をじっくり拝見した後は、釈迦堂前に広がる枯山水の石庭「信楽庭」を鑑賞しましょう。整えられた植栽や水の流れを感じる白砂が清らかな気持ちにしてくれます。

手前にポツンと佇む石がお庭を見ているあなた自身、奥に3つ並ぶ石が弥陀三尊のいらっしゃる極楽世界。庭全体で一人の行者が生死の大海を渡っていく姿を表現しています。「信楽庭」の名前には、信じて願う(楽)者は必ず救われるという無量寿経(むりょうじゅきょう)の一節が込められています。

また、奥に見える門は、天皇(朝廷)からの使者だけが通ることを許される「勅使門(ちょくしもん)」。最後に開かれたのは、数十年前とのこと。ひときわ厳かな雰囲気を醸し出す門にも、ぜひ注目してみてください。

紅葉期の最終日には、生花(いけばな)と生演奏を合わせたパフォーマンスも予定しているとのこと。詳細については、お寺のHPやインスタグラムからの続報をお楽しみに!


毎年6月開催♪御影堂で生演奏に聴き惚れる光明寺 音楽祭

光明寺音楽祭2025年の動画はこちらから👇

https://youtu.be/GLc4w6FDYvg?si=03qPtjrhz8jZdBZ3


さらに、光明寺ではこんなイベントも。毎年6月第3土曜日には、地域の文化振興を目的に光明寺音楽祭が開催されています♪

13回目を迎える今年は、話題の僧侶バンド「ぎゃあてい」をはじめ、コーラスや尺八、バイオリンなど、プロアマ問わずさまざまな個人や団体が演奏を披露しました。

御影堂のご本尊の前で楽しむ生音は、とても厳かで雰囲気も満点。気になる方は、YouTubeから今年の様子をご覧ください。


バリエーション豊か!かわいい授与品を参拝記念に♪

通常朱印(300円)

最後に忘れてはいけないのが授与品のご紹介。光明寺には通常の御朱印だけでなく、かわいいアイテムがいっぱい!御影堂内の売店にて販売しているので、参拝の記念に持ち帰ってはいかがでしょうか?

右端には、念仏発祥の地を意味する「浄土門根元地」の文字が隠れている

普通の御朱印ではちょっと物足りない方には、「ご詠歌切り絵朱印(800円)」がイチオシ。赤、青、ピンク、緑、黄色、紫の6種類がそろいます。蓮や紅葉など、光明寺の自然が美しいですね。

さらに今年からは、新たに御朱印帳と御朱印入れの販売が決定!境内や宝物庫のガラス戸がデザインされ、御朱印帳にはもみじの刺繍が施されています。

※いずれも販売開始は11月15日(土)~予定。各限定100冊(御朱印帳)、50冊(御朱印入れ)に達し次第、今期の授与は終了。

左:ベーシックな御朱印帳(2,000円)
右:クリアポケットタイプの御朱印入れ(3,000円)

また、光にかざすとキラキラ美しい透明の「みまもり(1,200円)」も大人気!

組み紐の色が15種類と豊富なバリエーションの中から、推しの色を選んでみるのもおすすめです。 ほかにも立体紅葉切り絵シートや紅葉限定御朱印など、さまざまな授与品がそろっていますよ。


さて、盛りだくさんな光明寺の魅力はいかがでしたか?紅葉期以外は拝観料がかからないのもうれしいですね。ぜひ、季節を変えて、長い歴史と豊かな自然の素晴らしさを肌で感じてみてください。


Information 

光明寺/075-955-0002/長岡京市粟生西条ノ内26-1/拝観9時~16時(受付終了)※御朱印は15時45分受付終了、12月中旬 ~ 2月末は10時から/紅葉期(2025年は11月15日(土)~12月7日(日))のみ入山料大人1,000円、中高生500円/阪急バス「旭が丘ホーム前」より徒歩約2分/Pなし/HP/Instagram @komyo_ji_official

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