カラフルで美しく光る“泥だんご”がテレビやウェブメディア、SNSなどで話題を呼んでいます。実はこちらの立役者となったのは、長岡京市の左官職人&ギタリスト率いる「左音プロジェクト」!
子どもの頃に砂場で作っていた“泥だんご”のイメージを覆す、惑星のように美しく光る泥だんご。単に映えるだけでなく、由緒ある日本の伝統技術「左官(さかん)」を用いて作られたものなんですよ!ほんまもん思考の京都ならでは感が満載ですね♡
毎月1回、定期的に開催されている「泥だんご教室磨きコース」ワークショップでは、小学生以上なら誰でも簡単に、光る泥だんごが作れるそうなんです!!
え!?誰でもピカピカって本当なの!!??真相を確かめるべく、今回は編集部イチ不器用な私が取材へ行ってきました♪
「左官×音楽」で長岡京市を盛り上げたい!左音プロジェクト
(写真キャプション)左からギタリスト富岡さん、左官職人三谷さん、三谷さんのお弟子さん角田さん、特殊左官職人の近藤さん、長岡京市社会福祉協議会の奥田さん。
ワークショップの会場は長岡京市で大人気のカフェ「open farm blunch」さん。こちらの会場を選んだ理由には、非日常かつ素敵な空間で泥だんご作りに没頭してほしいという想いがあるそう。
店内へ入ると「左音プロジェクト」メンバー、そしてカフェのご店主が笑顔で出迎えてくれました。一瞬マスクを外していただきお顔を拝見。皆さん親しみやすい気さくな方々です。
泥だんごワークショップは職業体験の場所としても
左音プロジェクトの「左」とは左官、「音」とは音楽のこと。
写真左は左官職人一筋26年、「京都ぬりかべ屋 三谷左官店」の三谷涼(みたにりょう)さん。
写真右は、東京や京都を拠点にギタリストとして活躍する富岡洋(とみおかよう)さん。なんと、富岡さんは「長岡カトリック幼稚園」の園歌を作曲されたお方というのでびっくり!!
中学時代からの友人だった二人が、左官のプロ、そしてパフォーマンスのプロとしてタッグを組み、日本が誇る伝統的な「左官」技術を用いた光る“泥だんご”を通じて、ここ長岡京市から世界に左官の魅力を発信しています。
「こういったイベントで三谷という人間を知ってもらい、左官や職人をもっと身近に感じてもらえれば嬉しい」と語ってくれました。
ワークショップでは、「泥だんご磨き」を楽しみつつ、左官の話やギター演奏も聴くことができますよ~。子どもも大人も興味津々♡
★左官×音楽パフォーマンスyoutube動画はコチラ👇
左官ってそもそもなんでしょう?
ここでチラッと、左官についてご紹介。左官をひと言で表すと、「コテ(鏝)を使って壁や床など塗り仕上げるお仕事」。基本的に左官職人が使う材料は土や砂、ワラ、石灰、海藻糊、珪藻土(けいそうど)など自然素材のみ。
ワークショップの泥だんごももちろん、自然素材のみで作るので安心です!左官の技術を用いると100年以上も輝き続けるんだとか。家宝にします!!
(写真キャプション)さまざまな色味の土が並ぶ三谷さんの工房はアーティストのアトリエのようで素敵
👆👆三谷さんが語る日本の伝統技術「左官」の魅力については、京都府ウェブメディア
『KYOTOSIDE 』の記事をご覧ください。
左官職人としてさまざまな経験をしてこられた三谷さんが、研究に研究を重ねて考案した「誰でも美しくピカピカに、絶対に失敗しない」泥だんごレシピが工房にありました。
砂場で作った泥だんごは落としたらすぐにくずれてしまいますが、左官職人三谷さんの泥だんごは頑丈で、そう簡単には割れません。
その理由は、土壁と同じ作り方をしているから!半年間熟成させた土と藁スサを使って数日間かけて形成します。
泥だんごの下地完成までに半年もかけてくださっているとは…涙出そうです。
下地を完璧に仕上げてくれているため、誰でも美しくピカピカに光る泥だんごが作れます!!
ワークショップが始まる前に、工房で準備作業。海藻糊と麻すさ、石灰で本漆喰を作り、そこへ顔料を入れて色漆喰を作ります。
現在、新色のオレンジ色が登場し、7色スタンバイ。白・緑・水色・黄・赤・群青・オレンジ。※在庫や仕入れの都合で、色を変更する場合あり
★泥だんご下地づくりyoutube動画はコチラ👇
左官技術で作る“一生もん”の泥だんご作りを体験!ダイジェストでご紹介
今回参加したワークショップは、小学生以上が対象の「泥だんご教室磨きコース」。乾燥時間も含めて、約2時間程度でした。
美しい泥だんごはこのように作られていくのです!ダイジェストでご紹介。(※小学生以下のお子さんでもスタッフさんがきっちりフォローしてくれますので参加可)
三谷さんと富岡さんの息っぴたりの絶妙なお笑いトークからワークショップはスタート。会場内の緊張感もほぐれて和やかな雰囲気に。
4人で1テーブル。道具は1人1セットずつ準備されています。
まずはお気に入りの大きさの泥だんご下地を選ぶ
まずは好きな泥だんごを選びます。個性が出せるようにと、大きさもまちまち。(ちなみに、大きいものを選ぶと、磨く面が大きくなるのでしんどくなります。笑)
海藻糊・乳液・石灰を混ぜた白い液体を泥だんごのまわりに均一に塗っていきます。糊の役割をするものとのこと。
三谷さんや、みっちり研修済みの左音メンバーが丁寧にフォローしてくれます。不安なところがあったらすぐに相談できますよ。
塗りの作業は毛穴を埋めるイメージで
7色の中から、好きな色を選びます。いずれも美しい色味なので、会場ですぐに決められない(><)かも。事前に考えておくのがベターです。私は群青色をチョイス。当日は水色が一番人気でした!
色漆喰+けい砂を混ぜたものを1回目のみ塗ります。砂を使う理由は、次の色がのりやすいよう、引っ掛かりを付けるためとのこと。
コテ(鏝)の代わりに、フィルムケースを代用。なぜにフィルムケース?
「フィルムケースが持ちやすい上に、口部分が球体にフィットしやすく、一番薄く塗れることがわかったんです。長岡京市のヤスイカメラさんにご協力していただき感謝しています」と三谷さん。
コテで壁を塗っている自分をイメージしながら、くるくるとフィルムケースをまわして、全体に均一に色を塗っていきます。自然素材なので手についてもご安心を。
1回目塗ったら、乾燥させます。乾燥すると白ぽく。2回目、次は色漆喰のみまんべんなく塗っていきます。塗る⇒乾かすを2、3回繰り返し…
「毛穴をファンデーションで埋めるイメージ」と左官女子こと三谷さんのお弟子さんからのアドバイスも。小さな穴も丁寧にムラなく、毎日の自分のお化粧よりも何百倍も念入りに塗っていきます。
このテカテカわかります?秘伝の油を全体に塗って乾燥を防ぎます。(どんな油なのか気になる方は現地で確認して下さい^^)
フィルムケースで全体に油をしみこませます。
仕上げの磨き作業に全力投球!
いよいよ仕上げ磨きです!!
梅酒の小瓶で「キュ」と音が鳴るまで、仕上げ磨き。一番ここが大事な作業とのこと。慎重さとスピードが求められます。
色漆喰がはがれないように、くるくると回しながら、最初はやさしく。だんだんと力を入れ、最後は力いっぱい磨いてOKとのこと。油が乾ききるまでに磨いていきます。
約30~40分、磨きに全集中。会場内からキュッキュと音が鳴ってきました。大人も子どもも全員必死で静かながら会場内、盛り上がっています!
泥だんごに異常がないか左音メンバーは常にパトロールしています。「キュ」という音にメンバーは超敏感!仕上げ磨き前のフィルムケース段階で鳴ろうものなら、現場に急行!!理由は光らなくなってしまう危険があるから…。不器用な私は2度ほど、鳴らしてしまいヒヤヒヤドキドキしましたが、
じゃじゃーーーん!!!完成をご覧あれ!私でも、惑星のように美しいピカピカの“ギャラクシー泥だんご”(嬉しくて勝手に命名)が完成しました!!達成感ハンパないっす。
途中、富岡さんの演奏にうっとり。たっぷりの癒しをありがとうございます。(富岡さんは泥だんご全国実力ランキング1位、三谷さんは8位だそうです)
最後は、完成品を並べて記念撮影します。集まるとすっごいパワーで、圧巻!
今年2021年1月にスタートしたワークショップでは、延べ123玉を超える数を世の中に送り出してきました。(2021年8月には150玉を超える予定)
いつの日か、ギネス級の泥だんご同窓会楽しみにしています!!
最後に、左官職人三谷さんBIGニュース!お弟子さんができた
今年3月、三谷さんのぬりかべ教室に参加したことがきっかけで、なんとインスタのDMで左官職人としての師弟関係を築いた弟子の角田しおりさん。ほかのお仕事をしながら、左官の本場京都へ週1回、兵庫から修行しに来ています。
「最初から塗りの練習をやらせてもらえるなんて本当に夢のよう…」と角田さん。「まずはやってみないと、見ているだけはイメージできないからね」と三谷さん。
左官職人の修業は職人の中でも特に長いことで知られます。厳しく長い修業時代を過ごしてきた三谷さんならではの師匠としてのやさしさを感じました。今後のご活躍を期待しています!
★泥だんご教室磨きコース体験費用/1名3500円(材料費・持ち帰り袋・1ドリンク付)
★左音プロジェクト/泥だんごワークショップ募集情報&申込みはコチラから👇
★京都ぬりかべ屋『三谷左官店』泥だんご教室Instagram
https://www.instagram.com/ryo.mitani620/
★京都ぬりかべ屋 三谷左官店
長岡京市井ノ内頭本15-7
090-5364-0980
日曜定休
HP:https://mitanisakanten.com
Facebook:https://www.facebook.com/mitanisakanten/
Twitter:https://twitter.com/mitanisakanten
Instagram:https://www.instagram.com/mitani.sakanten/?hl=ja
撮影:マツダナオキ
0コメント