沖縄が舞台の連続テレビ小説『ちむどんどん』には、美味しそうな沖縄料理がたくさん出てきました。思わず食べたくなった方も多いのではないでしょうか?今回は、本場の沖縄の家庭料理がお手頃価格で楽しめる「きのめ」をご紹介。沖縄の料理と音楽で、心を癒してくれる場所です。
50年前の長岡京市誕生とほぼ同じ頃に長岡京に移住してきたご店主に、沖縄料理や三線のこと、そしてお店の思い出話などを聞いてきました♪
沖縄直送食材も多数!今も昔も変わらない愛情たっぷりの沖縄の味
「きのめ」があるのは、長岡2丁目。目印はリバティ長岡店の北側にあるコインランドリーで、建物横の通路を奥まで進むと入口があります。佇まいがエモい♪
お店を営むのは、真喜志(まきし)康男さん、和さんご夫妻です。
和さんが切り盛りするランチタイムは、日替わりランチ3種を800円で提供し、肉料理と魚料理がメイン。康男さんも厨房に入る夜には、沖縄料理をいただくことができます。
沖縄の農連市場から取り寄せる食材を多数使用し、本格的な料理にこだわる「きのめ」はまさに長岡京のリトル沖縄!まずは、人気の定番メニューをご紹介します。
ゴーヤーちゃんぷる700円。ゴーヤーの苦みとポークの旨みのバランスがたまらなく、とっても食べやすい!味付けには豚を茹でたスープから作るダシを加えているそうです。
もずくの天麩羅500円。「沖縄の天麩羅は衣がたっぷり。衣に味が付いているので何もつけずにそのまま食べるんですよ」と和さん。
ドーナッツを揚げるように、たっぷりの油でこんがりと色が付くまで揚げます。
ふわっふわの食感でボリュームも満点。意外にも、見た目よりもあっさりとしているので、何個でも飽きずに食べられそう。
海ぶどう400円。沖縄や南西諸島などで採れる海藻で、あざやかな緑とプチプチとした食感がたまりません。酢醤油でいただきます。
タコスライス700円。たっぷりのレタスとトマトの下には、デミグラスソースで味を付けタバスコの辛みを加えた挽き肉やチーズが隠れています。ごはんとしっかり混ぜて口に運ぶと、辛みが心地よくて箸が(スプーンが?)止まりません。〆のごはんにもいいですが、ビールにもよく合いそう♪
このほか「ミミガー炒め」「沖縄そーきそば」「じーまーみトーフ」「ソーメンちゃんぷる」など、沖縄料理店ならではの献立が並びます。
もう一つの名物は「三線(さんしん)教室」
右から真喜志和さん、宮里幸雄さん妙子さんご夫妻
店には「きのめ」のご主人・康男さんの三線が飾られています。コロナ禍でなかなか難しくなってしまいましたが、沖縄では宴席の中心に歌があるのはごく自然なこと。
コロナ禍前は、「きのめ」でも宴会の際などに沖縄民謡の歌と演奏が始まることがしばしばあったそう。
お店入口にはハイビスカスの植木も
そんな「きのめ」では、三線を習うことができます。教えているのは、琉球民謡研究会の教師の免許を持つ宮里妙子さん。沿線の大阪・島本町にお住まいで、15年以上前からご夫婦で「きのめ」に通う常連でもあります。
宮里妙子さん。沖縄にルーツを持つご主人の幸雄さん(ご両親が沖縄出身)の影響もあって、25年ほど前に三線を始めたそうです
店で三線教室を開くことになった経緯を、和さんにお聞きしました。
「20年ほど前、沖縄出身のお客さんの紹介で、吉永安正先生が店に来られて、持参していた三線を弾いてくださったんです」。
吉永安正さんは沖縄・久米島出身で、吉永安正 琉球音楽研究所を主宰している関西の三線界の大御所です。
店にはお客さんが自由に弾ける三線を置いていたので、和さんもその音色には慣れ親しんでいました。そんな和さんの耳に入ってきたのが、吉永さんの歌と三線。
「先生の歌と三線は、私がそれまでに聞いたことがないほどとても素晴らしかった。そこで、私も習いたい、ここ(店)で教えてもらえないかって、お願いしたんです」。
これがきっかけで、「きのめ」の座敷で三線教室が始まりました。店を訪れたお客さんが三線に興味を持って、教室に通い始めたこともあるそう。3、4年前からは、吉永さんの元で三線を学んだ宮里妙子さんが教えています。
取材の合間に沖縄民謡『てぃんさぐぬ花』を披露してくださった妙子さん。スタッフ一同、生演奏に大感激!『ちむどんどん』では主人公のお父さんが弾き語りしていた曲です〜!!センス長岡京のInstagramリール(動画)からご覧ください。
三線教室は、初心者でも気軽に習うことができます。月に2回、月謝は3000円。詳しくは記事の最後のインフォメーションを要チェック!
宮里さんご夫妻は、福祉団体や学校などを訪ね、三線を通して沖縄の歴史や文化を伝える活動も行っています。
「沖縄の人の暮らしは、常に音楽とともにあります。音楽はうれしい時、悲しい時、自分を励ましたい時……いろいろな場面で心の支えになってくれます。沖縄の文化に触れて元気になってもらえたらいいですね」(妙子さん)。
35年前の長岡京、田んぼに囲まれた田舎料理屋からスタート
和歌山出身の和さんが、長岡京に移り住んだのはおよそ50年前。
「35年ほど前に、神足駅(現長岡京駅)で、偶然この建物の大家さんと知り合ったんです。思いがけない縁で自分の店を持つことになりました」。
田舎料理の居酒屋としてスタートした当初は、長岡京市内にある会社や工場などに勤める人で大賑わい。店の周りは田んぼが広がっていて「お酒を飲んでご機嫌になったお客さんが、店を出た後に田んぼに落ちそうになることもありましたよ」と振り返ります。
店先ではシーサーがお出迎え
やがて1990年代に入ると、康男さんの故郷である沖縄料理の店に衣替え。今年の12月で「きのめ」は開店から35年を迎えます。
「昔の常連客だった人が、今でも“ただいま”と言って訪ねてきてくれることがあります。転勤などで長岡京を離れた後も、また訪ねてきてくれるのは大変うれしいですね」(和さん)。
店内には宮里幸雄さんが描いた、康男さん、和さんご夫妻のイラストが
物静かで、心のこもった沖縄料理を作ってくれる康男さんと、ほがらかな笑顔が魅力の和さん。そんなお2人が迎えてくれるお店は、もう一つの実家のような居心地のよい場所なのかもしれません。
ぜひこの機会に足を運んでみては?どこか懐かしくて優しい風を感じられますよ♪
information
沖縄料理きのめ
★問い合わせ先 075-954-0927
★アクセス 長岡京市長岡 2-30-26
阪急長岡天神駅から徒歩3分
★営業時間 11時〜14時、18時〜22時
★定休日 月曜
★駐車場 無
吉永安正 琉球音楽研究所〈長岡教室〉
★練習日 毎月(原則)第2日曜・第4日曜
★連絡先 075-961-4166(吉永安正 琉球音楽研究所 宮里)
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