長岡京市今里の交差点、シャトレーゼのすぐそばに、ひっそりと佇む喫茶店があることをご存じですか?
44年の間、地域の皆さんに寄り添い、共に歩んできたこの場所で、コーヒーが繋ぐ温かい物語を市民ライターのごしまけいこが取材してきました。
*この記事は、市民ライターが企画・取材・執筆しています。
長岡京市で44年、地域に愛される喫茶店
1981年(昭和56年)7月19日に今里交差点の近くにオープンした「コロラドコーヒーショップマサヒロ」。ワールドコーヒーで修行をしたご主人は、様々な喫茶店を巡り、満を持して自分のお店をオープン。以来、夫婦二人三脚で44年、地域の皆さんに愛され続けています。
ご主人は、当時を懐かしそうに振り返ります。
「朝は、近くの工事現場で働く親方さんが、従業員の方たちを連れてモーニングセットを食べに来るんです。店内は活気に満ち溢れていましたよ。そして、ランチタイムには、妻の手作りの小鉢がついた日替わりランチが人気でね。それを目当てに毎日来てくれる常連さんも多かったなぁ」
さらに、お客様との思い出について、こんな話もしてくれました。
「お客様たちと一緒にボーリングやスキー旅行に出かけるなど、家族ぐるみで仲良くすることも多くて、プライベートも楽しかったな」
丁寧にサイフォンで淹れるご主人のコーヒーは、訪れるお客様を繋ぎ、そして温かい交流を生み出しました。
コロナ禍を乗り越えて
振り返ると「10年ごとにお客様の流れが変わっている」とご主人は話します。大きな転換期はコロナの流行でした。人が外へ出ることが難しくなり、特に常連さんたちは高齢の方も多く、人と会うことができなくなりました。「いつまで続くかもわからず、オープン以来一番の不安な時期だった」と奥様は振り返ります。
そんな時、息子さんのアドバイスで奥様がSNSに挑戦。最初は戸惑いもあったものの、「お店をこれからも続けていきたい。また常連さんが帰ってきていただける居場所を守っていきたい」という一心で、お店の情報発信を始めました。
すると、SNSでの発信が思いのほか楽しく、お店にも活気が戻ってきました。
近所の方だけでなく、遠方からの若いお客様が訪れるようになり、奥様の大きな励みになっています。
地域の変化とともにお店の客層も変化
地域の変化とともに、お店の客層も変化してきました。近くに保育所ができたことから、最近は店内にベビーカーが並ぶことも珍しくありません。
現在、このお店のお客様は、0歳から最高齢99歳まで。99歳のお客様は「毎週この店に来ることが元気の源だ」と言ってくださっているそうです。
音楽でつながる新たな試み
SNSでの発信がきっかけとなり、ご夫婦のアイデアは広がりました。「コーヒーを飲みながら素敵な音楽を間近で楽しんでほしい」という思いから、地元の演奏家たちに相談したところ、快く承諾を得て、初めてコンサートを開くことになりました。始まったばかりのこの企画が、これからどのように進化していくのか、楽しみでなりません。
取材を終えて
喫茶店がたくさんあった時代はいつの間にか過ぎ、今ではおしゃれなカフェが目立つようになりました。一杯のコーヒーを飲みながら、他愛もない話に花を咲かせたり、雑誌をゆっくりと読んだり。そんな昔ながらの喫茶店が、少なくなってきているように感じます。
ご主人と奥様の笑顔に会いたくて、ついふらりと立ち寄りたくなる「コロラドコーヒーショップマサヒロ」。長年地域に寄り添い、時を紡いできたお店だからこそ醸し出す、ほっと落ち着く空間で、ゆったりとくつろぎの時間を過ごしてみませんか。
information
COLORADO COFFEE SHOPマサヒロ
長岡京市今里北ノ町18-5
075-955-5540
7時30分~17時(モーニング7時30分~11時)
日・月曜休
阪急長岡天神駅から徒歩約17分
駐車場7台
インスタグラム:@coloradomeguchan
駐車場あり
担当市民ライター:ごしまけいこ
住み続けたい長岡京市をライフワークにこれからも、人やモノづくりなど長岡京市の魅力を発信できたらと思っています。
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